今日からオレは、管工事業者になる。

管工事業者への道程とその業界の未来について

給水装置工事主任技術者という資格

給水装置工事主任技術者とは、一般家庭から施設まで給水装置を行うことのできる国家資格です。

給水装置とは、いわゆる水道のこと。電気やガスと並んでライフラインのひとつです。

給水装置工事主任者を選任しなければ、指定給水装置工事事業者にはなれません。つまり、水道工事を行うためには欠かせない資格です。

 

●そもそも給水装置とは

給水装置とは、水道局が設置した配水管から、私有地内へ水を引く給水管や止水栓・水道メーター・建物内の配管・給水用具(蛇口や給水タンク)などです。

このうち、水道メーター以外は個人の財産になるため、壊れたら自分でなおさなくてはなりません。その代り、敷地内でしたら法律の範囲内で自由に撤去や増設が可能です。

 

●給水装置工事主任技術者とは

給水装置工事主任技術者とは、給水装置の設置や増設・撤去工事などを行う際、工事計画を立てたり技術上の監督を行ったりすることができる資格です。

給水工事自体は、主任技術者の監督下であれば無資格でも行えます。しかし、竣工検査(工事が終わった後、正しく工事が行われているか第三者にチェックしてもらうこと)や、水道事業者(水道局)が行う工事に立ち会う場合は、資格が必要です。

また、給水装置工事を行う業者が水道局指定店の選任を受けるためには、有資格者が常駐していなければなりません。

給水装置工事主任技術者は工事現場の監督業務を行い、作業員を指導することができます。給水工事を一生の仕事とする場合は、取得しておく必要があるでしょう。

 

●資格を取得するには?

給水装置工事主任技術者の資格を取得するには、3年以上の実務経験が必要です。

学歴は必要ありません。

 

●給水装置工事主任技術者の試験科目は?
給水装置工事主任技術者の試験科目は

公衆衛生概論
水道行政
給水装置の概要
給水装置の構造および性能
給水装置工事法
給水装置施工管理法
給水装置計画論
給水装置工事事務論
の8科目になります。

 

●公衆衛生概論とは
水道水の汚染による公衆衛生問題等に関する知識が問われます。水道法の目的を初めに覚えてください。生活に欠かせない水道水を毎日安全に飲めるのかを考えてみるとスムーズに覚えることができます。

 

1.水道の歴史 / 2.水道水の汚染/3.水道の定義 / 4.水道施設 / 5.水質基準 / 6.浄水処理 / 7.塩素消毒

 

●水道行政とは
水道行政に関する知識です。給水装置工事に必要な法令、供給規程(給水条例)に関する知識
が問われます。
給水装置工事主任技術者の役割・職務のイメージを初めにつかんでください。水道法の知識も工事のフローのように覚えやすくなります。

 

1.水道事業 / 2.水道事業者 / 3.水道技術管理者 / 4.供給規程 / 5.給水義務 / 6.給水装置・給水装置工事 / 7.給水装置の検査 / 8.給水装置工事事業者の指定制度 / 9.指定給水装置工事事業者 / 10.給水装置工事主任技術者 / 11.簡易専用水道

 

●給水装置工事法とは
構造・材質基準に適合した給水装置工事の施工を行うことができる知識が問われます。
水道水を衛生的に又安全に飲料してもらうには、分岐工事の始まりから家庭内の給水栓まで色々なルールがあります。流れに沿って整理すると覚えやすいはずです。

 

1.排水管から給水管の分岐 / 2.配水管の穿孔 / 3.水道メーターの設置 / 4.給水管の埋設 / 5.給水管の明示 / 6.給水管の配管 / 7.給水管の管材 / 8.給水管の接合 / 9.給水装置工事の現場管理 / 10.給水装置工事の検査 / 11.給水の異常現象 / 12.侵食 / 13.水道直結式スプリンクラー設備 / 14.給水装置の維持管理

 

●給水装置の構造及び性能とは
給水管及び給水用具が具備すべき性能の基準に関する知識を問われます。
安全な水を確保するためには、給水管や給水用具に性能基準があり、この科目は暗記が勝負です。数値を暗記してしまえば簡単に試験で得点できるはずです。

 

1.給水装置の構造及び材質の基準 / 2.耐圧性能基準 / 3.浸出性能基準 / 4.水撃限界性能基準 / 5.逆流防止性能基準 / 6.負圧破壊性能基準 / 7.耐寒性能基準 / 8.耐久性能基準 / 9.適用される性能基準 / 10.配管工事後の耐圧試験 / 11.汚染防止 / 12.吐水口空間の確保 / 13.水撃作用(ウォータハンマ)防止 / 14.凍結防止 / 15.侵食防止

 

●給水装置計画論とは
給水装置系統の計画策定に必要な知識及び技術に関する知識を問われます。
計算練習が第1の科目です。でも練習しているうちにどんな問題も計算できることにすぐ気がつきます。給水方式の仕組みは記憶してしまいましょう。

 

1.給水方式 / 2.直結式給水方式 / 3.受水槽式給水方式 / 4.受水槽の容量 / 5.使用水量 / 6.給水管の口径決定 / 7.水理計算の基礎 / 8.ウエストン公式の流量図 / 9.給水用具の損失水頭 / 10.直結加圧形ポンプユニットの吐出圧 / 11.給水装置工事の図面作成 / 12.直結給水システムの計画及び設計

 

●給水装置工事事務論とは
工事従事者を指導、監督するために必要な知識
を問われます。
水道行政とペアで学習すると学習効果が倍増します。主任技術者の職務を中心に整理して覚えてしまいましょう。

 

1.給水装置工事主任技術者の役割 / 2.指定の申請、主任技術者の選任 / 3.給水装置工事の記録 / 4.性能基準の適合と認証 / 5.給水装置工事の届出、審査

 

●給水装置の概要とは
給水管及び給水用具に関する一般的な知識を問われます。
給水用具と給水管にわけて学習してみてください。それぞれの特徴が整理できて覚えやすいはずです。

 

1.水道メーターの分類 / 2.水道メーターの構造 / 3.水道メーターの設置 / 4.増圧給水設備 / 5.直結加圧形ポンプユニット / 6.逆止弁 / 7.止水栓 / 8.給水用具 / 9.節水型給水用具 / 10.湯沸器 / 11.浄水器 / 12.給水用具の故障と対策

 

●給水装置施工管理法とは
給水装置工事の工程管理、品質管理、安全管理に関する知識、建設業法及び労働安全衛生法に関する知識が問われます。
工事を受注して依頼された給水装置を工期内に安全に完成させる工事の流れとラップして学習してみるとスムーズに覚えられます。

 

1.建設工事公衆災害防止対策要綱土木工事編 / 2.建築業法 / 3.労働安全衛生法 / 4.建築基準法 / 5.給水装置工事の施工管理 / 6.給水装置工事の安全管理 / 7.給水装置工事の品質管理 / 8.給水装置工事の工程管理 / 9.給水装置工事の電力